コラム 房総の食①

房総は、地形的には平野と台地の多い下総、大半が丘陵上の上総と安房の地域に分かれていて、それぞれに地域的な特色を有しています。農業、特に野菜はトップクラスであり、砂浜や磯浜の長い海岸線は漁業や観光に活かされていて、優れた自然景観、素朴な農山漁村景観にも触れることができます。

歴史的に見れば、縄文時代の干潟や山林での魚介類の採集・捕獲から弥生時代の稲作主体の生活、さらに現代まで続く農耕・漁撈生活と、その豊かな大地の恵みは、日本列島においても抜きん出ています。ことに江戸時代になると、大消費地江戸を抱えて、房総は生産地としての大きな役割を担いました。

実は房総には、料理の祖神が祀られている全国で唯一の神社・高家神社(南房総市)があります。手を一切触れずに魚をさばく「庖丁式」は、日本料理の伝統を今に伝える厳粛な儀式です。

地域的が強い房総半島は、昔から食材の豊富さではどこにも引けを取りませんが、きめ細かな調理法よりは、むしろ食材そのものの味を活かす素朴さに優れている印象があります。ご当地食材を活かした料理とそれに合うお酒のペアリングを研究しながら、ガストロノミーを進めていきたいと考えています。

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